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「ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない」ビジネス書に踊らされるのはもう辞めよう

装幀:アピア・ツウ

気づけば読む本は「ビジネス書」ばかり。読むとなんだか自分の教養が増えたり、仕事がデキるようになった気になる。そう感じるのは自分だけではないはず。実際はそんなことはないのだけれども・・・
先日『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』(漆原直行/マイナビ新書)という本に出会った。

自己啓発や成功哲学、ライフハック、仕事術、ロジカルシンキングで年収は上がりましたか?独立起業できましたか?夢が具現化しましたか?

(帯より引用)

と帯に書かれていて、妙に納得をしたので購入して読んでみた。読んでみると、内容は的を射ていて、この日以来ビジネス書を読まなくなった。現時点では読まなくなっても何も不都合は生じていないし、ストレスも感じない。自分にとっては読まなくても済むものなんだと実感している。


ビジネス書とは

  • ビジネス・・・・・・働き方・仕事術・ライフハック/自己啓発/独立・起業/転職/業界研究/ドキュメンタリー・ルポタージュなど
  • 経営・・・・・・経営学/経営管理/マーケティング・流通/ファイナンス/会計・簿記/税務/起業法務/広告/ベンチャーなど
  • 経済・・・・・・日本経済/世界経済/経済学/統計学/財務/金融など
  • ビジネス資格・・・・・・金融資格/会計・税務資格/IT関連資格など
  • その他・・・・・・ビジネスには直接関係しないような話題、違うジャンルとおぼしき話題を取り扱った本でありながら、ビジネスパーソンのあいだで話題になったり、ビジネスに応用する話題として広がっていったりしたケース
(P14・15から引用)

多種多様で内容も多岐にわたっているが、本のタイトルを聴いたことがあったり、話題になって知っているケースが多いはず。例えば「バカの壁」「国家の品格」「夢をかなえるゾウ」「もしドラ」などなど。

売れ筋ランキングに入ってくるから読んでみようといった心理や、刻々と動く経済情勢があるため新しい本を読んで知識を得ようとする意識が働くためビジネス書を読みだすと、ビジネス書ばかり読んでしまうという現象に陥るのだと思う。

実際にビジネス書を読みだすと止まらなくなる。関連本を読みたくなったり、その著者の別の本を読みたくなったり。気がつけばビジネス書コーナーばかり観てしまう自分がいる。読めば読んだだけデキる人になったような気がするし、ビジネス書を漁っているだけでもそんな気がしてきてしまうのは自分だけではないでしょう。

お約束のストーリー

  1. ざっくりとした問題提起
    「最近○○な人が多いようです」
  2. 歓迎・鼓舞・共感や仲間意識の醸成
    「あなたの悩み、よくわかります。だって以前の私がそうでした」
  3. 対処・対応すべき対象=目的・目標の特定
    「そもそもなぜ○○という状況になってしまうのか、それは△△だからです」
  4. 目的の意識の強化。対応・実現するために何をすべきなのか→ゴールセッティング
    「問題を解決したいですよね?だったら、そのためにも目的意識を持たなければなりません」
  5. スケジュール(時間管理)や腰と意識の重要性、継続のメリットを力説
    「目的意識を持ち、ゴールが設定できたとしても、そこにいつまでもに到達するかを明確にしないと、ダラダラしてしまいますよ」
  6. 主題の念押し、激励と送り出し
    「もう大丈夫。ここまで読んだアナタは、目的意識とそこに至るための知恵や手法を手にしました。さあ、あとは夢に向かってまっしぐら!」
(P62~66から引用)

ビジネス書を読んでいると確かにこのような構成が多い気がする。この構成が読者を惹きつける構成なのでしょう。文言やジャンルが違えど構成はほぼこの通りに構成されているのは確か。

自分の問題に的確に答えてくれるような気がするけど、最終的には「アナタ次第的」な終わり方。結局自分は何をするべきなのか明確な答えもなく終わってしまうのは確か。でも本を読んだことによってなんとなくデキる気がしてしまう。「ポジティブな考え方」がデキるようになったのはプラスではあるが、実際に仕事がデキるとは限らない。

ビジネス書とはつまり島耕作栄養ドリンクタバコ屋のおばさんみたいなものである。

(帯より引用)

島耕作とかタバコ屋のおばさんはちょっとわからないけど「栄養ドリンク」と言えばわかる気がする。どれも似たような内容だから具体的な内容も覚えていられないし、効果は読んだ後の一時的なもの。でもそれになかなか気が付けないもの。読んだら読んだだけ自分の血肉になったと勘違いを引き起こすというマイナスな効果もある。

ビジネス書よりも現場で学べ

意識を高く、目線を上にーーーそんな煽りを見聞きしたときこそ、まずは自分の足もとを冷静に見る。日々の仕事を通じて、自分に足らないこと、できていないこと、曖昧な理解のままで済ませてしまっていることはないか。ごくごく基本的な、極めて卑近なレベルから自分の仕事ぶりを見返してみるのが大切なのではないでしょうか?

(P192より引用)

ビジネス書を読んでデキた気になるよりも、実際にデキていそうでデキていないことを見つけて改善していくほうが自分にプラスになる。ビジネス書の内容を応用できたとしても、自分の職場で通用するとも限らないし評価がうなぎ昇りに上昇するはずもない。ビジネス書よりも、もっと学ぶべきこと・改善できることが現場には溢れているはずである。身近の成功者(上司など)や経験豊富な人と話したり学んだりしたほうが自分にプラスになるのは間違いない。

まとめ

別に自分は、ビジネス書自体を否定しているわけではない。成功者が書いたのだから学べる部分は多いし、やる気のスイッチを押してくれる。あくまでビジネス書との距離の置き方が大切なのではないかと思う。参考になる箇所はないかなといった軽い気持ちで読むことが大切だと思う。読みたいと思った本は購入するしね。

現在はビジネス書を読まなくなったから、読書自体の量が減ってしまったけどそれで良いと思っている。面白い小説を読んだり漫画を読んだりしたほうが有意義な時間を過ごせるなと気づいたからである。月20冊読破を当たり前にしたいと思っていた時期もあったけど読まなきゃいけないというストレスから解放されたのは事実。

現在はビジネス書売り場にも行かなくなったし、コンビニとかでビジネス書を見かけても一歩引いて見ることができるようになった。Amazonのランキングとかを見ても読みたい衝動に駆られることも全くなくなった。今後は上手にビジネス書と付き合っていけそう。

そのくらいの影響を与えてくれたこの本は凄い。「ビジネス書読んでいる自分すごい!」とか「これさえ読めば仕事ができるようになるはず」と意気込んでビジネス書を購入している人、「ビジネス書を読んでいないと不安だ」と思っている人、毎月ビジネス書に○万円つぎ込んでいる人はぜひこの本を読んでみるといいかもしれない。ビジネス書に対する考え方が180度変わるはず。

 
 

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